2010年2月9日に開催された IDC Japan株式会社主催

『Japan Storage Vision 2010』 での私 伊藤孝行の講演内容を

動画で公開しております。 講演動画はこちらへ


2013年01月05日

ハーフ判フォーマット

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作例1:Twilight, Light


近頃は私自身もすっかり写真はデジタルに移行して7年程経過しますが、時折印刷会社勤務時代の事などを思い出しながら、銀塩フイルムカメラが気になったりします。この冬場に、両親の形見であるこのカメラを修理に出したので、最近何本かの銀塩フイルムを撮影しました。

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OLYMPUS ハーフサイズフォーマットの銘機 『OLYMPUS PEN S』


ハーフサイズフォーマットとは、35mmフイルムひとコマに2カット撮影できるフォーマットのカメラ。35mmフルサイズの半分のサイズなので「ハーフ判」です。これは昭和40年前後からカラー化が進んだフイルムがまだ高価であったことから、フルサイズの倍撮影できるというメリットを狙った規格です。

開発ストーリーを辿ると、単に1本のフイルムで倍撮影できるお得度だけではなくて、コストを気にせずに沢山カットを撮影してもらって、アマチュアの方達にももっと良いカットを撮ってもらいたい、という想いがあったようです。このカメラが誕生した昭和40年代は、もちろん自動焦点も自動露出も無い時代ですから、撮影技術面での失敗コマも多かった訳です。


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ハーフ判カメラで撮影したネガフイルム

35mmフルサイズに2コマ撮影されています


当時はまだ低コストの同時プリントという営業手法が開発されていなかったので、密着焼きと言われたフイルムと同寸にカット全部を焼いた(APSのインデックスプリントのようなもの)印画紙を見ながら、写真店店主とプリントするコマを厳選するというプロセスがありました。手札判等にプリントする選定されたコマは、機械で自動ではなく手焼きといって1カットずつ人間が丁寧に焼いていました。

こうしたコマ選定プロセスの際に、露出やピント・被写体の表情を変えたカットを複数撮影できていれば、プロのように良いカットに辿り着くチャンスの確率が上がるというものです。プロは露出等の技術力を持っているのは当然ですが、写真は結局シャッターチャンスが命。プロですら、人物撮影では採用コマは36枚撮りフイルム1本で2〜3コマが良いところ、ともよく聞きます。つまり、沢山コマを撮影した方がより成功に近づくという訳です。

このハーフ判カメラ、昭和40年代のカラーフイルム化と共に各社からカメラが発売され大ヒットとなった仕様ですが、その後の写真店における営業手法の変遷で急激に衰退しました。同時プリントを自動機で低価格に提供できるようになったこと・露出や焦点の自動化・35mmフルサイズカメラの小型化が、もはやハーフ判を必要としない時代に導いていきました。

商品開発のコンセプトとしては、低価格・小型のカメラでよりカメラを身近にして、成功コマに辿り着く確率を高くするというものでしたからアマチュアへのカメラ文化普及という点に主眼が置かれていたようです。しかし、前述のように 『ハーフ判で倍カットが撮影できるので、プロのように沢山のカットを撮影してきて欲しい』 と、アマチュアにもプロの撮影スタイルを期待したものであったことから、 『プロっぽさを狙った』 小型のハードウェアであったのかもしれません。


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作例2:Shops in twilight


小型ながらレンズも明るく、このように薄暮時の撮影にも充分通用します。そのレンズの描写力・解像度の高さから、当時はプロカメラマンのサブカメラとしても良く使われていたとか。やはりプロっぽい側面を持ったカメラですね。

このカメラの作例にご興味の方は、こちらの私のFlickerセットをご覧ください。
OLYMPUS PEN S test drive
posted by ハリー伊藤 at 13:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 印刷・写真関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも、ブログみています。
色々と勉強させていただいています。
Posted by Lense at 2013年01月05日 17:01
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